生産部 大牟田工場Omuta Factory
2017年入社
新たな経験や魅力
就職活動の時、高校の先生から天龍製鋸を薦められました。学校からは「静岡県に本社がある鋸を作っているメーカーで、大牟田に工場を建設し、初めて地元から採用する」と説明されましたが、情報が少なく不安はありました。しかし、工場見学に行った際、丸鋸(チップソー)の製造工程を見ながら機械や人の動きに触れ、改めてモノづくりはすごいものだと実感し志望することにしました。また、工場見学では社員の方々が気さくに声をかけてくれたり、とても丁寧に説明してくれたりして、働く人たちの温かさが印象に残ったのも当社を選んだ理由の一つです。
大牟田工場で、丸鋸(チップソー)の刃先へ超硬チップを溶着する前の接合部の加工と、レーザー加工機によるマーキング(印字)を担当しています。刃先の先端にある超硬チップを溶着するためのチップ座と呼ばれる部分に研削残りがあったり寸法・角度に間違いがあると、超硬チップを規格通りに溶着できない、溶着強度が出ない等の製品不良につながります。ですから、このチップ座を研削する接合部加工は非常に重要な作業だと自覚し取り組んでいます。
大牟田工場の生産には立ち上げ時から関わっていますが、当初は色々なトラブルに悩されました。それでも、試行錯誤を繰り返し、次第に新規設備の稼働が安定し、大量生産ができるようになりました。大量生産が可能になると「チップ座の寸法をすべて揃えてほしい」という要望が出されました。
200枚~300枚の加工の時は工夫をして揃うようにできたものの、1,000枚~1,500枚となるとなかなか思うようにはいきません。その時思いついたのは、基準通りの見本を作っておき、常にそれに合わせて確認を行うことです。その結果、大量生産品でも寸法が揃い、後ろの工程の担当者からは「効率良く作業ができ、寸法精度も揃っているので品質も安定する」と喜ばれました。そう言われた時は、今までの努力が報われたようで、達成感と喜びで胸がいっぱいになりました。
入社して2年が経った頃のことです。丸鋸(チップソー)のレーザー加工機によるマーキング作業で、うっかりして図面と違うものを印字してしまいました。その結果、手直しで相当の時間をかけて修正作業をすることになってしまいました。もちろん、他の工程の担当者にも迷惑をかけることになり、自分の確認の甘さを痛感しました。それからはセッティング前の仮マーキングの時に一つひとつ丁寧に確認するようにやり方を変えました。以降、ミスが無くなり、他の仕事でも作業内容を確認する場面で活かせるようになりました。多少手間になったとしても、一つひとつ丁寧な確認が、結局は正確で迅速な仕事につながることを学びました。今後もしっかりとした確認作業を続けていきます。
大牟田工場には本社にない最新鋭の加工機がある一方、新しいだけにさまざまな問題にも直面してきました。どうしたら常に安定した品質を保ち、効率よく稼働できるかをゼロからみんなで考えてきました。そうした苦労があるからこそ、今の順調な稼働につながっているのだと思うとやりがいを感じます。また、日々作業をする中で新たな問題に気づいた時にも、色々な対応方法を検討できるのは、この工場に最初から携わってきた経験があるからこその魅力だと思っています。
目標は、現在担当している「丸鋸(チップソー)の刃先加工」でさらに経験を積み、加工内容や作業にもっと詳しくなり、何を質問されても自信を持って答えられるようになることです。
また、未経験の他の加工工程についても自ら積極的に学び、いつかは丸鋸(チップソー)の加工すべてをマスターできるようになりたいです。
チップ接合部加工は、一見単純な作業に見えますが、前の工程の加工の状態によっては、上手くいかなかったり調整が難しかったりと悩まされるものになります。
具体的には加工部の寸法合わせや全体のフレを調整する必要が出てきたりします。なかなか解決できなかったりすることもありますが、本社の方々や大牟田工場の先輩達の力を借りて解決につながっています。その時に、私も先輩たちのようになりたい、刃先の加工についてもっと詳しくなりたいと思います。
その苦労があるからこそ、最後にしっかり図面通り仕上がった時、面白さがあると思います。
仕事について、すべてのことを一人でやれる人は少ないと思います。誰かが一人で困っている時に、自ら手を貸してあげられるような人、周りと協力してやれるような人と働きたいです。
また、自分なりの考えを持っていて、それを正しく相手に伝えることができる人、相手の話も素直に聞き入れることができる人、そんな人とも一緒に働けたらと思います。
私自身もまだまだ未熟ですので、何事も最後までやり遂げる責任感を育てながら、「一緒に成長していける人がいいな」と思います。